運営しているネットショップの出品量が多いなら、楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用すると便利です。ただし、利用には在庫保管料や出荷作業費などのコストがかかります。この記事では、楽天市場へ出品する流れとともに、RSLの特徴や料金体系について解説します。楽天市場へ出店するメリット・デメリットについても触れるので、ぜひ参考にしてください。
楽天市場とは?
楽天市場とは、楽天株式会社が運営するオンラインのショッピングモールです。1997年にサービスが開始し、インターネットの普及とともに規模が拡大しました。Amazonでは男性のユーザーが多いのに対し、楽天市場では女性のユーザーが多いといわれています。そのため、楽天市場は食品や日用品に加え、アパレル商品などの販売に強いという特徴があります。
楽天市場に出店するメリット
実店舗がなくても出店できるうえに、集客力も高い点が楽天市場のメリットです。楽天市場は知名度が高く人気もあるため、「楽天市場に出品している」というだけでユーザーから選んでもらえる可能性が高くなります。また、楽天市場に出店すれば専任のアドバイザーがつき、ネットショップ運営についてアドバイスをもらえます。
楽天市場に出店するデメリット
楽天市場に出店するには、店舗の設定や商品情報の登録といった手間がかかります。ただし、不明点はサポートや専任アドバイザーに質問することが可能です。楽天市場にはライバルとなる店舗も多いですが、ポイント制度やイベントを活用すれば他店舗と差別化できます。
また、楽天市場は他のモールに比べて出店料が高いといわれています。出店して終わるのではなく、毎月のコスト計算や効率的な運営を考えていくことが大切です。
楽天市場での出品から発送までの流れ
楽天市場での店舗運営は、どのような流れになるのでしょうか。ここでは、楽天市場へ商品を出品してから発送するまでの7つのステップを解説します。
1.WEBから出店申込を行う
出店申込ページを開き、必要事項を入力します。楽天市場に出店できるのは、法人または個人事業主です。出店の条件や必要なものについては、事前に資料請求して確認することもできます。
2.出店審査を受ける
楽天市場に出店するには、出店審査を通過する必要があります。なお、出店審査の具体的な基準は公表されていません。実際に出店の準備ができるようになるまで、2週間から1ヶ月程度かかります。
3.必要書類を提出する
出店申込をすると、必要書類の提出を求められます。必要書類は、出店申込書、審査書類、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)などです。個人事業主の場合、住民票や印鑑証明書などの提出が必要になります。
4.店舗運営システム(RMS)のアカウントを開設
出店審査に通過すれば、楽天市場の店舗運営システム(RMS)のアカウントが開設されます。このシステムを利用すると、店舗構築、受注管理、アクセス解析といった、さまざまな作業を行なえるようになります。
5.開店準備
店舗運営システム(RMS)を使って、楽天市場内にネットショップを構築します。商品を登録するだけでなく、ネットショップのデザインも設定します。パソコン向けのページを作成すれば、自動的にスマホ向けのページも作成されます。
6.決済・配送方法の準備
楽天市場では、コンビニ決済やSuica決済といった、さまざまな決済方法に対応しています。その中から自分の店舗で利用したいものを選びましょう。また、配送方法もあらかじめ決めておく必要があります。運送会社との契約も事前に済ませておきましょう。
7.運営スタート・受注したら発送する
ネットショップの運営をスタートすると、顧客から注文が入ります。顧客が支払いを済ませると「発送待ち」と表示されるので、注文内容を確認して発送の手続きを進めましょう。
出品量が多い場合は楽天スーパーロジスティクスが便利
出品量が多い店舗は、楽天スーパーロジスティクスを利用すると便利です。ここでは、楽天スーパーロジスティクスの特徴について解説します。
楽天スーパーロジスティクスとは?
商品の保管や発送を、すべてアウトソーシングできるサービスです。ネットショップで受注すると、楽天が管理する倉庫から商品が発送されます。「あす楽」にも対応しており、出荷は365日いつでも可能です。倉庫は千葉、神奈川、大阪、兵庫の4ヶ所6拠点にあります。出品数が多い場合に利用すると、ネットショップの運営にかかる手間を大幅に減らせます。
楽天スーパーロジスティクス導入までの流れ
楽天市場に問い合わせると、ヒアリングと見積もりを経て契約に至ります。問い合わせから実際に稼働するまでにかかる期間は、1ヶ月半程度です。なお、楽天スーパーロジスティクスを利用するには、連携できる受注管理システムを導入する必要があります。なお、利用料金を確認したい場合は、RMSへログインし、店舗運営Naviから問い合わせをします。
楽天市場での発送にかかるコストとは
ここでは、楽天市場での発送にかかるコストについて解説します。ネットショップの売り上げを拡大するには、毎月のコスト計算が鍵となります。
自己発送の場合
ネットショップの運営で発生する「発送コスト」には、送料以外にも梱包費や人件費が含まれています。送料は運送会社によって異なるため、それぞれのサービスの特徴を理解したうえで選ぶ必要があります。
たとえば、60サイズで発送する場合、日本郵便のゆうパックなら810円、ヤマト運輸の宅急便なら930円です。また、ポストに配達される発送方法の場合、日本郵便のレターパックライトなら370円、ヤマト運輸のネコポスなら上限385円です。また、条件を満たせば割引が適用される場合もあり、送料がさらに安くなる可能性もあります。(2020年9月現在の料金です)
発送コストを少しでも抑えるためには、複数の運送業者から見積もりをとって比較したり、法人契約による割引を利用したりするのもおすすめです。
楽天スーパーロジスティクスの場合
楽天スーパーロジスティクスの料金は、2018年9月1日に改定が行われています。2020年8月現在の料金は以下のとおりです。
商品:極小サイズ | 商品:小サイズ | 商品:中サイズ | 商品:大サイズ | ||
商品ピースあたり | A:在庫保管料 | 7.5円/月/PCS(商品体積1,000㎥あたりの料金) | |||
B:出荷作業費(梱包費を含む) | 50円/PCS | 80円/PCS | 100円/PCS | 200円/PCS | |
出荷個数あたりの料金 | C:配送費 | ポスト投函180円/個 | 60~100サイズ380円/個 | 120サイズ500円/個 | 140~160サイズ850円/個 |
なお、楽天市場のネットショップの商品の配送について、2020年までにすべてを楽天株式会社で請け負う仕組みにするという方針も発表されています。この方針が実現すれば、従来と同等以上の配送スピードを保ちながら、発送コストを削減できることが期待されています。
楽天市場での出品から発送の流れを把握して物販にチャレンジしよう!
商品発送の手間とコストは、ネットショップ運営における課題の一つです。楽天スーパーロジスティクスを利用すれば、手間をかけずにこの課題を軽減することが可能です。ネットショップをスムーズに運営し、売り上げを拡大するには、いかに効率化するかがポイントになるといえるでしょう。
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