楽天スーパーロジスティクスとは、商品の入荷から発送まで物流業務を一括して依頼できるサービスのことです。このサービスを積極的に活用すれば、店舗運営の効率化が実現し、売上の向上にも役立てられるでしょう。
この記事では、楽天スーパーロジスティクスの概要や利用するメリット・デメリット、料金体系、AmazonのFBAとの違いなどについて詳しく解説します。
ぜひ、楽天での店舗運営の参考にしてください。
フルフィルメント業務の全体像については、以下の記事で解説していますので、併せて参考にしていただけると幸いです。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)とは
楽天スーパーロジスティクスとは、楽天市場に出店している店舗向けの物流アウトソーシングサービスです。
商品の入荷作業から保管、発送といった物流業務を一括して依頼できます。最新の作業機器や情報システム、丁寧なオペレーションによって店舗運営をサポートしてくれます。
利用を希望すると、楽天の担当者からヒアリングの連絡が入ります。
ヒアリング後に見積もりが算出されるので、内容を確認したら契約となります。利用開始にあたってテストを実施した後に、正式に稼働されます。
拠点(倉庫)の場所
楽天スーパーロジスティクスの拠点は、関東には千葉県(市川市・流山市・習志野市)にあります。関西では、兵庫県(川西市)、大阪府(枚方市)にあり、国内すべて含めて7拠点です。(2020年7月現在)
また、今後は神奈川県大和市でも稼働が計画されており、2020年中には8拠点体制になる予定です。物流センターを新たに開設することによる処理能力の向上が期待されます。
受注管理システムの導入が必須
楽天スーパーロジスティクスを利用するためには、受注管理システムを導入して倉庫内のシステムと連携する必要があります。受注管理システムは、楽天が公式で運営開発を行っているシステム以外のものも利用できます。
【利用可能な受注管理システムの例】
- ネクストエンジン
- クロスモール
- Robot-in
- Smart Fill
- 助ネコ
- 通販する蔵
楽天スーパーロジスティクス(RSL)のメリット
楽天スーパーロジスティクスでは、商品の管理や発送だけでなく、同梱物や返品の対応も行っています。ここでは、同サービスを利用するメリットを7つ解説します。
立ち上げのフォローがある
専任の担当者がつき、楽天市場での店舗立ち上げに関するサポートを受けられます。
サポートでは、費用面や商品のことなど、不明点を気軽に質問できます。
担当者はネットショップの立ち上げのポイントを熟知しているので、初めて楽天市場に出店する人や物流アウトソーシングを利用する人でも安心して利用できます。
「あす楽」に対応できる
楽天スーパーロジスティクスは、当日15時までの注文で商品が翌日到着する「あす楽」が利用できるメリットもあります。
「あす楽」は自社の営業日に関係なく365日稼働で、土日祝なども発送が可能です。発送スピードが重要な要素であるネットショップ経営において、競合ショップとの差別化を狙えるでしょう。
チラシ、販促物封入もできる
楽天スーパーロジスティクスは、チラシや販促物の封入もできるのもメリットの1つです。
商品と一緒にチラシや販促物を同梱することで、リピート購入などにつなげられます。すべての出荷物に同梱するのか、対象商品を限定するのかなど、全オーダー、指定オーダーで条件を指定することができます。
ギフトラッピングにも対応できる
店舗オリジナルのギフトラッピングやメッセージカードの封入ができます。
これらを積極的に行うことで、ユーザーの満足度も向上し、店舗のファンになってくれる可能性が高まります。指定すると楽天スーパーロジスティクスで用意したギフトラッピング用の資材で包装し、出荷してくれます。「あす楽」にも対応しています。
コンテナで入荷できる
コンテナを倉庫で直接荷受けして、在庫計上が可能というメリットもあります。
海外からの大量の入荷にも対応しているので、海外の商品を扱う店舗には便利でしょう。なお、コンテナ入荷を利用する際は、あらかじめ楽天スーパーロジスティクスに入荷スケジュールを伝えておくようにしましょう。
不着返品受入もできる
発送した商品が、ユーザーの長期不在時や受け取り拒否などにより、返品されるケースもあります。
そういったケースでも、返品された商品を倉庫で荷受けでき、検品も行ってくれます。検品した結果、商品が良品だった場合は在庫として計上する流れになります。返品対応の手間が省ける分、店舗の運営も効率化できるでしょう。
販売促進や企画に集中できる
商品の梱包や発送、在庫管理の手間が省けるため、販売戦略や商品企画、店舗運営の改善などのコア業務に集中できます。
また、アウトソースすることで、採用についての悩みもなくなります。イベントやセールの時期でも出荷作業に追われる心配はありません。繁忙期でも通常通りの発送ができれば、ユーザーの顧客満足度の向上も期待できます。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)のデメリット
ここでは、楽天スーパーロジスティクスのデメリットを紹介します。あらかじめ知っておきたい注意点として参考にしてください。
取扱のない商品もある
楽天スーパーロジスティクスは多種多様な商品を取り扱っています。しかし、取扱のない商品もあるので事前に確認するようにしましょう。
取扱のない商品は、販売価格が30万円を超えるような高額商品、医薬品、生もの、危険物、組み立てが必要な商品、配送業者が約款上扱えない商品となります。
コストがかかる
楽天スーパーロジティクスの利用には料金がかかります。
「RSLコストシミュレーター」を使うと、利用料金と現在の物流コストを計算したり、比較検討ができたりします。なお、RSLコストシミュレーターを利用する際は、楽天スーパーロジスティクスへのログインが必要となります。
楽天スーパーロジスティクスの料金体系
楽天スーパーロジスティクスの料金体系は、2018年9月1日に変更されました。
今後も利用店舗数を増やすために、料金は引き下げられていくと予想されています。実際の料金は、店舗が取り扱う商品によっても異なります。具体的な料金は以下の通りです。
極小サイズ | 小サイズ | 中サイズ | 大サイズ | ||
商品ピース(pcs)あたりの料金 | 在庫保管料 | 7.5円/月/pcs(商品体積1,000cm2に対しての料金) | |||
出荷作業費 | 50円/ pcs | 80円/ pcs | 100円/ pcs | 200円/ pcs | |
ポスト投函 | 60〜100サイズ | 120サイズ | 140〜160サイズ | ||
出荷個数あたりの料金 | 配送費 | 180円/個 | 380円/個 | 500円/個 | 850円/個 |
最新の情報はRMSにログインし、店舗運営NAVIよりご確認ください。
フルフィルメント by Amazon(FBA)との違い
ここでは、楽天スーパーロジスティクスとフルフィルメント by Amazon(FBA)との違いを解説します。
料金体系が違う
楽天スーパーロジティクスは、他モール向け出荷も同じ料金となっています。Amazon(FBA)は、Amazon向けと他モール向けの出荷で料金が異なります。
配送スピードが違う
楽天スーパーロジティクスは、通常配送の場合、遅くても翌日中には出荷されます。当日配送には対応していませんが、翌日配送は繁忙期に関係なく当日15時30分までの出荷指示で対応しています。
Amazon(FBA)の場合、通常配送は出荷日の約束はありません。
翌日配送は注文確定日から3日以内に商品を届けます。年末年始などのイベント時は対応できないケースもあります。また、当日配送は一部エリアに限って対応しています。
他モール出荷の際の梱包資材が違う
楽天スーパーロジティクスの場合は、標準サービスとして、ロゴ無しの梱包資材で出荷が可能です。
Amazon(FBA)で、ロゴ無しの梱包資材を利用する場合は標準サービスではないため、別途申請が必要です。
配送会社が違う
楽天スーパーロジティクスは日本郵便と提携しています。
日本全国で変わらない品質で商品を届けられます。配送クオリティーを保つことで、ユーザーから高い評価が期待できるでしょう。
Amazon(FBA)の場合は、大手配送会社以外にも複数の配送業者と提携しています。
そのため品質にも違いや差があるなど、ネットショップ側はそれぞれへの対応が必要となります。
楽天スーパーロジスティクス導入までの流れ
楽天スーパーロジスティクスを導入する流れは以下の通りです。
- 楽天市場へ問い合わせを行う
- 担当者から連絡があり、物流状況のヒアリングを受ける
- 見積もりが提示される
- 内容確認後、契約する
- テストを実施し、稼働準備を行う
- 楽天スーパーロジスティクスが正式に稼働する
ヒアリングを受けたあと、1〜2週間程度で見積もりが提示されます。
契約完了後のテストから正式稼働までは1カ月程度かかります。スムーズに店舗を立ち上げるためにも、事前にスケジュールを確認してから出店準備をはじめるようにしましょう。
まとめ
楽天スーパーロジスティクスを導入することで、梱包や出荷作業などをアウトソースでき、コア業務に集中できます。
また、専任の担当者がつくため、安心して店舗の立ち上げを行えます。店舗運営が効率化するサービスやシステムは積極的に導入し、無駄のないスムーズなネットショップを展開しましょう。
現在ECモールで出店をお考えの方は、以下の記事も参考にしてください。
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