ECプラットフォームを作成しようと検討する際、「Shopify(ショッピファイ)」は必ず選択肢の一つに入るでしょう。ECプラットフォームは、月額料金や手数料が違うだけでサービスとしては同じだと思っていませんか?
この記事では、ECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」のメリット・デメリットをはじめ、他ECプラットフォームとの違いについて解説していきます。
Shopifyとは?
Shopify(ショッピファイ)とは、現在170万店舗以上のストアで利用され、世界175カ国において使用されているカナダ初の世界最大のECプラットフォームです。
簡単にオンラインストアが開設できるプラットフォームとして、大変注目されています。
初期費用不要、月額課金制、高いデザイン性とシンプルで高機能なところもポイント。
さらにクラウド型(SaaS型)のため日々どんどんバージョンアップがされています。
まさに現代のニーズにマッチしたECカートと言えるでしょう。
現在、日本においても、利用率が軒並み上昇中のECプラットフォームです。
Shopifyの特徴
- 初期費用不要
- 月額課金制
- 機能拡張性が高い
- 海外販売に向いている
- 自社ECサイト構築、既存サイトからデータの移行が可能
- 通常の在庫がある商品だけでなく、コンテンツやダウンロード商材、ドロップシッピングなどの販売にも対応
Shopify(ショッピファイ)のメリット
初期費用もかからず低コストで導入可能です。
また、機能拡張性・コストパフォーマンスにおいても高水準。133種類の通貨、複数言語での販売が可能なため海外販売にも強いところがメリットです。
低コストで利用可能
Shopifyは初期費用不要で月額課金制を採用しています。
同じく、クラウド型のECプラットフォームサービスを展開している「ショップサーブ」「futureshop」などと比べると、月額利用料金および初期費用は比較的低く抑えられています。
さらに、決済手数料も最低水準に設定されており、たくさんの商品を大量販売するとした場合、お得に利用できます。
アプリが豊富で機能拡張性が高い
Shopifyでは、サードパーティによる拡張機能となる独自アプリが日々開発されています。利用者はShopifyのAPPストアよりアプリを利用して、ECサイトを常にクオリティを高く維持することが可能です。
現在、この3,000種類を超える拡張アプリが存在します。
アプリの種類の豊富さを考えると、Shopifyは、非常に高いカスタマイズ性があると言えます。
他社のパッケージ型サービスでは最新アップデートされないことを比較すると、大きなメリットの1つです。
海外向けのECサイト構築にも適している
越境ECで成功している数多くECサイトがShopifyで構築されています。
成功の主な理由としては、下記のことが挙げられます。
- 設定がデフォルト状態で、様々な言語・通貨に対応している
- 海外向けのストアをスムーズにオープンすることが可能
- 対象国のニーズにあわせて配送、決済の設定が可能である
国内市場が縮小する現状を考えると、グローバル展開は事業拡大を加速させるポイントとして見逃せません。
サイトの構築・管理が簡単
Shopifyでは、サイト構築に関するHTMLやCSSなどの知識が不要です。
多彩なテンプレートに沿って、ECサイトを作成することが可能です。そこから独自カスタムも可能で、知識がなくともオリジナルのサイトが作成できます。
また、在庫・発送管理独自の管理画面を構築しています。そのため、発送管理が徹底され、抜け漏れを防ぐ仕組みが用意されています。
さらに、場所や時間を問わず自社サイトの状況をアプリから把握することが可能なため、売上や在庫管理が簡単に可能です。
ECサイトではネックとなる決済システムも充実しています。ECサイトでは主軸となる決済方法である、クレジットカード決済やコンビニ決済、代引き支払いにももちろん対応。
またネット決済「Pay Pal(ペイパル)」や「Amazon Payments」なども対応可能です。
デザイン性が優れている
Shopifyでは、多様なデザインテンプレートが用意されているため、ECサイトを簡単にデザインできます。これらは「テーマ」と呼ばれています。
テーマを使用すれば、知識が無くとも、サイトのデザインを簡単にカスタマイズできます。また、テーマには100種類以上のバリエーションがあり、無料テーマだけでも9つの中からセレクト可能です。
SNS連携が可能なため集客に強い
Shopifyでは、各種SNS連帯しておりSNSから直接販売出来ます。
ようは、SNS上の商品のファンを購買へとより直接的に、そして自然に購入へ促せるのです。
SNS(Instagram、ツイッター、LINEなど)で販売チャネルを広げ、さらなる売り上げアップを目指せます。
Shopify(ショッピファイ)のデメリット
Shopifyについてのたくさんのメリットを上記では紹介してきました。
ですが、メリットがある分、デメリットも存在します。
メリット、デメリットを把握して使えるようにしましょう。
英語ができないと不便な場合がある
Shopifyはカナダ生まれのサービスのため、基本言語は英語となります。
常に新しい情報が更新されていく世界です。やはり「最新の情報を常に把握したい」と感じるものでしょう。そういった場合、英語文献を読めることは重要になってきます。
ですが、最近ではサポートの体制も充実してきました。
Shopify JAPANでは、本国の情報を和訳し公開してくれることが多くなりました。おかげで、コンテンツが理解できないといった問題は減少傾向です。
※最近は、GoogleChromeの翻訳の性能も上がってきました!
翻訳にかけると、大抵の内容は理解できると思います。是非利用してみてはいかがでしょうか。
日本向けアプリが少ない
海外のサードパーティアプリは国内の開発会社はまだまだ少ないのが現状です。
説明ページが日本語ではなく、英語のものが大半です。導入する場合は、英語の理解が必要となる場合があります。
日本国内で利用されているポイント制度や、定期購入などのアプリも提供している企業は少ないのも課題の一つです。
HTML/CSSなどの専門知識が必要な場合がある
上記メリットでは、ECサイトの構築や運営に関してShopifyでは「専門知識不要」と記載しました。
ですが、競合ECサイト差別化するためカスタマイズする場合や、便利な機能を実装する場合は、HTML/CSSの知識が必要になることもあります。「デザイン・機能性を兼ね備えた理想のECサイトを制作したい」場合は、制作会社へECサイト構築を外注するケースが一般的です。
簡易的なネットショップ開設なら支障はないかもしれませんが、基本的には外注し、クオリティを担保するのが理想でしょう。
サポート体制がまだ万全ではない
Shopifyは現在、日本語による電話サポート対応はしていません。
ECサイトを開設・運営していく中で、不備や不明点などが発生した場合は、24時間対応しているメールにてお問い合わせする形になり、メール対応に時間がかかるケースが多いのが現状です。
Shopifyのプラン展開
Shopifyでの主なプラン展開は、3プランです。
- ベーシックプラン
- スタンダードプラン
- プレミアムプラン
各プランによって使える機能が異なりますので、各プランのサービス範囲を確認した上で、制作するECサイトに合ったプランセレクトが必須です。
ベーシックプラン
小規模なストア、個人ストア向けのプランです。
月額料金は、$29 (約3,045円)です。
スタッフアカウント数は「2」アカウントで、機能としても「24時間体制サポート」「SSL認証」「カゴ落ち対策」など名前の通り、ベーシックなものが一通り入ったプランです。
スタンダードプラン
中規模なストア、チームでサイト運用予定の方向けのプランです。
月額料金は、$79 (約8,295円)です。
スタッフアカウント数は「5」アカウントで、ベーシックプランに比べると人員が多いことを想定しています。
購入された商品にギフトカードを添えられる「ギフトカード機能」がついており、商品1つ1つに付加価値をつけられます。
「プロフェッショナルレポート機能」も使用でき、顧客の動きを把握できるため新たな企画・戦略を打つためのリサーチにも生かせます。
プレミアムプラン
大規模なストア、本格的なマーケティングする方向けのプランです。
月額料金は、$299 (約31,395円)です。
スタッフアカウント数は「15」アカウントで、より大規模なECサイト運営用です。
プレミアムプランのみ「高度なレポートビルダー機能」が使用できます。
高度なレポートビルダー機能とは、Google広告などネット広告の効果検証に加え、ECサイトの流入経路別でより詳細に分析ができる機能です。ベーシックプランから使用できる「プロフェッショナルレポート機能」と併用すると、顧客の動きをより鮮明に把握することが可能です。
Shopifyがおすすめの人
ShopifyでECサイトを制作する人は主に下記3つに当てはまる人です。
- 制作の初期費用をおさえたい
- 既存ECサイトがなく、はじめてECサイトを作る
- 多様なカスタマイズを使用して、オリジナルなECサイトを構築したい
Shopifyと他ECプラットフォームはどんな違いがあるの?
現在、国内外問わずShopify以外にも様々なECプラットフォームが存在します。
それぞれの違いについて記載していきます。
EC-CUBE
EC-CUBEは、基本的な機能は無料で使用できます。
拡張機能によって、有料になるのでShopifyのように月額利用料はかかりません。
豊富なデザインテンプレートがあり、プラグインが充実した、集客・販売促進のためのプラットフォームです。
プラットフォームとしては「オープンソース型」のため、自社で定期的なアップデート、サーバー管理を都度行う必要があります。Shopifyは自社でサーバーを管理したり、アップデート作業は不要なうえ、最新のサービスがいつでも利用可能です。
makeshop
makeshopは、BtoB向けビジネスに最適なサイト構築が可能なECプラットフォームです。
機能の拡張性も高く、クローズドBtoBの機能も充実しており、取引先ごとに価格や送料の設定を変更可能です。
makeshopは、BtoB向けビジネスに適したサイト構築は得意ですが、BtoCをターゲットとするビジネスモデルには向いていません。さまざまなビジネスに対応できる点がShopifyと異なります。またShopifyとの違いmakeshopでは、サイト開設時に初期費用として1万円かかる点も異なります。
STORES
STORESは、SNSアプリ(FacebookやWEARなど)との連携が簡単なECプラットフォームです。手軽さが売りで、SNSアカウントを開設するような感覚でショップをオープン出来ます。
ただし、STORESメインターゲットは国内ユーザーです。海外展開は難しいといえます。
Shopify=「越境EC」とも呼ばれています。多言語・多通貨に対応でき海外発送も可能なため、世界各国をターゲットにできます。
BASE
BASEは簡単にネットショップをオープンできます。
初期費用、月額利用料が無料のためです。
月額利用料が発生するShopifyと比べ料金コスト面だけ見ると、BASEはとても魅力的でしょう。
ただし、Shopifyのほうが、カスタマイズ性や追加機能の面では多機能です。BASEもSTORES同様に、国内へ向けてのプラットフォームであるため、海外向けサービスを提供したいユーザーには不向きになります。
【まとめ】ShopifyでECサイト運用を始めてみよう
低コストで利用可能、デザイン性も優れたShopify。
ECサイトに機能やデザイン性が高いことを求めるユーザーほど、Shopifyはその要望を応えることが可能なプラットフォームです。
また、Shopify=「越境EC」と呼ばれるくらい海外進出には強く、現状の国内販売に頭打ちのユーザーにとって、十分導入の価値がある施策と言えるでしょう!
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