最近よく耳にする「ライブコマース」ですが、中国が発祥であることはご存知でしょうか?
ライブコマース発祥の地である中国では、日本より一足先にライブコマースが急拡大しています。
今回は中国のライブコマース事情について紹介していきます。
中国のライブコマース市場
ライブコマースは、「ショッピング」×「ライブ配信動画」のことです。ライブなので、店舗にいるような、そしてリアルタイムで質問が可能、不安を解消して購入完了できます。
発祥の地である中国では、2018年時点で小売業界は600兆円規模、前年比7.5%増、その中の35%がオンライン販売といわれており、非常に大きな割合を占めています。
今や中国のライブコマース市場は2兆元規模へ
中国のライブコマース市場は、2020年は1兆500億元、そして2021年には2兆元規模まで急拡大しました。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響があるようです。
外出が大きく制限されたことによってライブコマースの利用が一気に拡大しました。
参考:http://www.aliresearch.com/cn/index
なぜ中国ではこれほどライブコマースが人気なのか?
2020年の新型コロナウィルス感染拡大の影響があるとあいえ、中国でなぜこれほどライブコマースは人気になったのでしょうか。
そこには大きく3つの理由があります。
とにかく安い
中国のeコマースサイトは元々、キャンペーンなどが多く、大幅なプライスダウンがされます。日本の感覚からは信じられないくらいの値引率で販売されることもあります。
ライブコマースも同様に、やはり「安い」です。この点は大きなポイントだと考えられます。
自分が信頼している人から購入できる
中国ではeコマース商品への信頼度が低くなっています。「偽物だった」「品質が悪かった」などのトラブルが高頻度で起こっているようです。購入側もそれについてはある程度分かってはいるものの、判断に時間を要します。
一方で、ライブコマースではKOL(Key Opinion Leader:中国では、インフルエンサーの意)によるライブ配信での販売が行われます。自分が信頼しているKOLがおすすめしている商品であれば、スムーズに購入が出来ます。
商品の選択がしやすく、手軽
KOLが配信するライブコマースでは、信頼しているKOLが良い商品をすでに選んでくれているため、消費者は膨大な数から商品を選ぶ手間が省けます。
また、自宅に居ながら手軽に臨場感のある買い物を楽しむを楽しむ事が出来ます。
中国のライブコマース事例
中国では、ライブコマースでの購入が浸透しています。
日本企業もインフルエンサーを使ってプロモーションに成功している企業もあります。
ここでは、日本企業、中国国内企業の成功例をみていきましょう。
株式会社Mizkan
株式会社Mizkanは日本企業ですが、マーケティング戦略として中国向けにライブコマースを始めました。中国での知名度はありませんでしたが、中国KOLのECショップネットワークを利用し、インフルエンサーの協力のもと商品を販売しました。結果、見事に月間の販売数は、予想を大きく超える6,000本を達成しました。
百思寒(Baisihan)
百思寒(Baisihan)は、中国・柯橋(かきょう)のアパレルブランドです。ダウンジャケットが売りです。eコマースも多数プロモーションしていましたが、人気が一過性、売上が安定しませんでした。
そのため、新たなファン層・リピート層の獲得を狙い、ライブコマースを開始しました。
結果、1日のライブ配信でダウンジャケット300万着販売、2万人以上のファン獲得に成功しました。
【まとめ】中国はライブコマースの先進国
中国では、日本と比べよりライブコマースでの購入が身近でハードルが低くなっています。
中国の大手ECモールは当たり前にライブコマースを導入しているので、越境ECを考える際は、売上アップのためライブコマースでのプロモーションも考えるのは自然な流れでしょう!