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【2021年最新版】仕入れと経費の違いとは?今さら聞けない仕訳の判断方法や注意点など

確定申告のシーズンになると、煩雑な仕訳作業に頭を悩ます個人事業主は多いでしょう。
そのなかでも、「何が仕入れで何が経費か」の仕訳は、節税にかかわる重要なポイントです。
節税したいからと仕入れのすべてを経費にすると、税務調査で予期せぬ指摘を受けるかもしれません。

この記事では、ネットショップの多店展開をしている人やこれからする人に向け、仕入れと経費の違いについて、仕訳の判断方法や注意点などを解説します。
仕入れに関わる掛け率の計算方法を知りたい方は、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

「仕入れ」とは

そもそも「仕入れ」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。

仕入れとは「商品に直接かかわる費用」

「仕入れ」とは、販売を目的として購入した商品や資材・原料などの商品に直接かかわる費用です。たとえば、商品の売買で利益を得ている企業や個人事業主は、仕入れで在庫をもち販売して売上とします。

また、「売上」から「仕入れ」を差し引くと、純粋な利益の算出が可能です。純粋な利益とは、さまざまなコストが除かれた利益を指します。

仕入れと経費の意味

仕入れが経費になる例外|おまけで無料配布

原則として、仕入れは経費に計上できません。しかし、例外的に仕入れが経費になる場合があります。たとえば、おまけとして無料配布するために仕入れた商品です。おまけとして無料配布するために仕入れた商品は、仕入れではなく宣伝として「宣伝広告費」に仕訳できます。商品に会社のロゴや会社名が刻印してあると、会社や商品について広く大衆に知ってもらう役割を担うからです。

「経費」とは

次に「経費」とはどのようなものかについて解説します。

経費とは「事業の運営目的にかかわる費用」

経費とは、会社の運営や営業活動で必要となる費用を指します。たとえば、会社の毎月の光熱費や工場の視察をするための交通費などです。これらの費用は、会社を運営したり営業をしたりする際に必要なお金であり、商品そのものに関わる費用とは違います。よって、勘定項目でも目的の違う項目として、経費とは別に処理します。

経費に計上できる項目の事例

経費に計上できる項目は次のとおりです。

  • 従業員の給料
  • 会社が賃貸の場合は家賃
  • 文房具や事務用品
  • 通信費
  • 社内外の交際費など

そのほか、個人事業主の場合は税金関係の経費(個人事業税・従業員の福利厚生費・利子など)も、経費に計上できます。自宅が仕事場の場合、水道光熱費や通信費はひと月の費用の約5割が目安です。

経費に計上できない項目の事例

一方、経費に計上できない項目は次のとおりです。

  • プライベートの水道光熱費や通信費、国民年金など
  • パソコンや車など10万円以上のもの

事業に無関係な項目に関しては、経費として計上できません。また、パソコンや車といった高価なものは資産とみなします。よく間違いやすい点であるため、仕訳の際にはご注意ください。

仕入れと経費の違いとは

仕入れと経費では仕訳される項目の目的が異なります。仕入れは「商品そのものを生産したり保管したりする際にかかる費用」です。対して経費は「会社運用や営業活動など、事業を運営する際にかかる費用」を指します。

つまり、仕入れと経費は異なる目的の勘定項目であり、仕入れを経費に計上したり経費を仕入れにしたりするのは間違った仕訳です。税金対策として仕入れを費用に計上した場合、税務調査でペナルティを受ける可能性があります。

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仕入れと経費の違いとは

棚卸資産とは

期末に残った在庫は、棚卸資産として経費から資産への振り返りが必要です。盲点になりやすい、棚卸資産の仕訳を解説します。

棚卸資産とは「販売目的と結びつく財やサービス」

棚卸資産とは、企業や個人事業主が販売を目的として一時的に保有している商品や原材料などの総称です。商品のような有形のものだけでなく、サービスのような無形のものも含まれます。棚卸資産に仕訳される項目は、販売目的の商品以外にも広い定義がある点が特徴的です。

たとえば、売れ残った商品や原材料だけでなく、加工途中の原材料や貯蔵中の消耗品なども在庫に分類されます。これらの在庫を仕入れ時点で経費として仕訳していた場合、期末に残っていたら経費から資産に振り返ることが必要です。

棚卸資産の処理をしなければ、会社の経費が多く計上されるため、税務調査で指摘を受ける可能性があります。確定申告でよく指摘されるポインなので、きちんと資産に計上されているか提出前に十分にご確認ください。

会計上で定義される在庫の特徴

会計上、在庫は棚卸資産と呼ばれ、在庫の計上や目的によってさまざまな特徴に分類されます。また、棚卸資産になるものに関して、購入した段階では経費として計上されていても、期中に経費で処理された項目は、在庫(棚卸資産)として経費から資産に振り返る必要がある点が特徴的です。

よって、先述したとおり、税金対策のつもりで在庫を決算期末に増やしても、経費にならず資産になるためあまり意味がありません。「利益を多く出してすべて経費にすれば節税になる」と、安易に決算期間内に仕入れしすぎないようにしましょう。

棚卸資産を経費に計上していないか、仕入れと経費を区別して仕訳されているかは、税務調査でよく確認されるポイントであるため、間違えのないように仕訳してください。

個人事業の決算までの流れ

個人事業主の決算は1月~12月までをワンクールとしておこないます。スタートとなる期首は1月1日で、1月2日〜12月30日までが期中です。そして、12月31日を期末として仕訳します。在庫にどれだけ商品が残っているのか、どれだけ商品を仕入れたのかなど、期末の残った在庫をベースにしながら決算期間内の管理を実施します。

棚卸資産の評価方法

棚卸資産の評価方法は主に「原価法」と「低価法」の2種類です。それぞれの評価方法の特徴を解説します。

原価法とは

原価法とは、「棚卸資産の取得原価をベースにして在庫金額を算出する評価方法」です。原価方法はさらに6種類に分類でき、それぞれの計算方法や特徴は異なります。原価法の6つの種類の評価方法の傾向については次のとおりです。

最終仕入原価法

最終仕入原価法とは「期末に1番近い仕入れ時の金額を取得価額とし、在庫金額を評価する方法」です。計算そのものは非常に簡単ですが、期末まで評価できない不便さがあります。この評価法は法人税法で原則となる在庫評価方法です。

個別法

個別法とは「それぞれの商品を仕入れたときの価格を在庫金額とする評価方法」です。シンプルでわかりやすい評価方法ですが、規格に応じて価格が違うものには適用できません。宝石や土地など、個別に在庫を管理したい棚卸資産の評価に向いています。

先入先出法

先入先出法とは「先に仕入れたものから順に払い出し、在庫金額を算出する評価方法」です。棚卸資産はもっとも期末に近い仕入時に取得したと仮定します。実際の資産の流れと一致しやすい側面がある一方で、物価の変動時には実際の利益を反映しきれません。

総平均法

総平均法とは「期首の棚卸資産の取得金額と、期中に取得した新たな資産の取得価額の総額を合計し、単位あたりの平均額を計算したのち、年度末の在庫金額をその平均額をもとに算出する評価方法」です。物価変動による影響を受けにくい反面、期末まで計算ができません。

移動平均法

移動平均法とは「仕入れごとに平均単価を算出して売上原価とし、棚卸資産の在庫金額を評価する方法」です。経営の現状を随時把握できますが、毎回計算する必要があるため、仕訳の作業がやや複雑になります。

売価還元法

売価還元法とは「種類の多い商品を1つとし、期末時点の棚卸資産の販売価格の合計に原価を乗じて評価する方法」です。取扱う商品が多く、商品ごとの原価を調べるのが難しい場合でも、簡略化して管理できます。販売価格から計算可能なため、売価が調べやすい状況において適している方法です。

低価法とは

低価法とは、「先述した6種類の原価法による評価金額と、期末時点の時価のうち、低い方の金額をもとに算出する評価方法」です。低価法では次の期首に振り戻しての処理が必要ですが、時価が大きく変化した場合でも事業の状況を正確に把握できます。

棚卸資産に含まれる具体例

棚卸資産に含まれる具体例

先述したとおり、棚卸資産の意味は広義です。代表的な6つの棚卸資産を解説します。

商品または製品

商品または製品とは、「販売を目的として仕入れた商品や自社で製造した完成品」です。仕入れた商品等が売られずにその形状のまま残っている、一般的な仕入れの状態を指します。

半製品

半製品とは「製品が完成品ではなく、他の部分品となるもの」です。たとえば、加工目的で仕入れた材料が、加工途中でそのまま放置されていたり残っていたりする状況を指します。つまり、完全な形の商品ではなく、半端な状態の製品が半製品です。

仕掛品

仕掛品とは、「製品や商品になる途中のもの」です。たとえば、製造途中の未完成の状態である製品や原材料を少しだけ加工している製品などを指します。半製品は商品として提供・保存ができるのに対し、仕掛品は商品として提供や保存ができません。

製品に占める主要材料

製品に占める主要材料とは、「加工は完了したけれど、未販売な製品や完成品」です。たとえば、加工が完了した製品が販売されずに売れ残っている状況が該当します。つまり、いつでも売れる状態にありながら売れ残った在庫です。

補助原材料(冷媒・触媒・熱媒など)

補助原材料とは「生産設備のメインではないけれど、一緒に繰り返し使用される資産で、数量的に減ったり質的に劣化したりするもの」です。たとえば、冷媒・触媒・熱煤などを指し、劣化資産と呼ばれる場合もあります。

貯蔵中の消耗品

貯蔵中の消耗品とは「将来使用する目的で保管している消耗品」です。たとえば、コピー用紙の未開封分や未使用のトイレットペーパー、大量に購入した切手類や収入印紙などが該当します。

自社以外にある棚卸資産とは

自社にある在庫だけでなく、自社以外にある在庫も棚卸資産です。見落とされがちな2つの項目を解説します。

委託販売

委託販売とは、「外部の機関に委託した商品販売」です。たとえば、代理店への委託の場合、代理店が代わりに商品を販売してくれます。自社にない在庫が受託者の手元にある場合、商品を受託者に渡しただけではまだ売上を計上できないため、受託者が商品を販売した時点で売上を計上します。

未配達の商品

未配達とは「商品を発注したけど会社にまだ届いていない状態」です。請求書の記載内容が発注日時点でも、会社の倉庫や店舗ではまだカウントされていない場合があります。その際、経費処理だけがされていて棚卸資産への計上漏れがある可能性があるため十分確認しましょう。

まとめ

経費と仕入れは異なる目的をもつ勘定項目です。税金対策を銘打って年末に大量に仕入れをし、経費に計上するのは間違った仕訳となり、税務調査が入った際に注意を受ける要因となります。

本記事では経費と仕入れとの違いを解説し、棚卸し資産の種類・項目について解説しました。
棚卸し業務の目的や内容についてもっと知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

https://ecnounnei.com/1174/
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