Shopifyは、ベーシック/スタンダード/プレミアムという3つの通常プランがあり、スタートアップから大企業まで対応できるECプラットフォームです。
この通常プランの上位プランとして、Shopify Plusがあります。Shopifyに関する情報は日本でもかなり豊富になってきていますが、Shopify Plusに関する情報は十分ではありません。
そこで、今回はShopify Plusの機能や料金、利用可能なアプリまで詳しく解説していきます。
Shopify Plusとは
Shopify Plusは、月額2,000ドルの特別有料プランがあり、通常では利用できない様々な機能を利用することができます。
Shopify Plusの概要について他のプランと比較すると、以下のような違いがあります。
Sopify Plus | ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|---|
月額料金 | 2,000ドル | 9ドル | 29ドル | 299ドル |
スタッフアカウント数 | 無制限 | 2 | 5 | 15 |
国内クレジットカード手数料 | 3.15% | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
海外クレジットカード手数料 | 3.75% | 3.9% | 3.85% | 3.8% |
Shopifyペイメント以外の手数料 | 0.15% | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
※Shopify Plusの契約は12ヶ月からとなります。
※Shopify Plusの月額料金は、月商80万ドルを超えると売上の0.25%従量課金になります。
Shopify Plusは決済手数料が他のプランよりも安くなります。
スタッフアカウントの数も制限がないため、大勢のスタッフでネットショップを管理する場合でも、ログインすることができます。
その他にも、Shopify Plusは構築したショップを9つまでコピーすることができ、合計で10サイトを使い分けることができます。そうすることで越境ECなどの運営で、地域によってローカライズすることが可能です。
Shopify Plus チェックアウトの編集可能なこと
通常の3プランでは、チェックアウト画面のコード編集ができませんが、Shopify Plusでは、チェックアウト画面を好みの形に編集することができます。
チェックアウトの編集ができることにより、以下の操作が可能になります。
- チェックアウト画面のレイアウト変更
- 配送先の国によって表示する画面の変更
- 日時指定や定期オプションの追加
- 代引き手数料の表示
- GTMの設置によるチェックアウト画面の分析
- 複雑な割引の適用
このようにチェックアウト画面を編集することで、様々な機能が利用可能になります。
ただし、チェックアウト画面にバグが発生すると大きな損失となるので、コード編集は慎重に行うようにしましょう。
Shopify Plusでのみ利用可能なアプリ
Shopify Plusでしか利用できないアプリが複数あり、無料で利用することができます。
これらのアプリは、ネットショップ運営の業務効率化や自動化をすることができ、人件費の削減や事業の更なる成長に繋がります。
ここではShopify Plusでしか利用できない5つのアプリについて紹介します。
Launch Pad
Launch Padは、割引キャンペーンや新商品のリリースなどのスケジュールを設定することができるアプリです。
指定した時間に自動的にキャンペーンがスタートするので、越境ECの運営などで時差があるときの対応にも便利に活用できます。
商品価格の変更、新商品の公開、テーマのカスタマイズ、割引の適用などを時間指定して実行することができます。
Script Editor
Script Editorは、複雑な条件のディスカウントを設定するなど、スクリプトを編集することができるアプリです。
以下の3タイプのカスタマイズが可能になります。
①項目スクリプト
1つ購入で10%OFF、2つ購入で20%OFFのような複雑な割引を行います。
割合と定額によるディスカウント、またはその両方を組み合わせたディスカウントが可能です。
②決済スクリプト
決済サービスの変更や自動選択など決済周りのスクリプトを編集します。
リピーターやサブスクリプションの顧客に対する送料無料などの設定が可能です。
③配送スクリプト
配送方法や価格の変更、表示の設定などができます。
VIPやサブスクリプションのユーザーの送料無料など配送周りの設定が可能です。
Shopify Flow
Shopify Flowは、ストア内の様々な業務を自動化するアプリです。
例えば、商品の在庫が少なくなった時や一定金額以上の購入があった場合に、メールやSlackに通知することができます。他にも複数回商品を購入したユーザーに、クーポンを配信したり、自動でタグ付けして管理することができます。
複雑な設定やコード編集は必要なく、管理画面から簡単に設定することができます。
Transporter
Transporterは、他のECプラットフォームの顧客・商品・注文のデータをShopifyに移行できるアプリです。
既存システムのデータをCSVファイルに変換し、Shopifyに移行します。また、進行状況がGUIで確認できるので、エラーを特定することも可能です。
Bulk Account Invite Sender
Bulk Account Invite Senderは、他のECプラットフォームからShopifyに移行した際に、顧客にパスワード再設定の通知を一括送信することができます。
Shopifyでは、Transporterなどのアプリを使用して顧客データを他のプラットフォームから移行することができますが、顧客アカウントのパスワードは移行できません。そのためBulk Account Invite Senderが必要になります。
細かいセグメント設定などもでき、顧客に合わせた内容のメッセージをカスタマイズして送信することも可能です。
その他Shopify Plusの良い点
手厚いサポート
Shopify Plusでは専任のサポートを受けることができます。ショップを公開するまではローンチマネージャー(エンジニア)が付き、公開後にはアカウントマネージャーがつきます。
あなたのショップに対して必要なアプリの提案や事業戦略など、さまざまなサポートを受けることができます。
Shopify POS Proの無料使用が可能
実店舗を持つマーチャントは、通常は月額89ドルかかるShopify POS Proを無料で使用することができます。
Shopify POSを使用することでネットショップと実店舗の在庫管理や売上データなどを統合管理することができます。
また、Shopify Plusは実店舗(ロケーション)を20箇所まで登録することができるので、配送、在庫管理、売上管理の点でとても使い勝手が良くなります。
Shopify Plus専用のAPIが利用可能
Shopifyの通常プランでは使用できるAPIが制限されていますが、Shopify Plus専用のAPI使用が可能になります。例えば、Multipass APIを使用したsingle sign-on and userが使用可能になり、自社の会員システムとの連携が可能になるので、ユーザーは別サイトにあるログイン情報を使用してshopifyストアにログインすることができます。
他にも「Discounts」「Gift cards」「Product Recommendations」などのAPIの呼び出しが可能になります。
卸事業者向け販売が可能
Shopify Plusでは、Wholesale Channelを利用することで、ショップにパスワードを設定し、事業者ごとに別の卸価格で商品を販売することができます。また、事業者ごとに最低発注数量や最低価格を設定することも可能です。
再注文が簡単にできる設定やグループごとに異なる割引の適用、外部のソフトウェアとの同期なども可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか?通常プランよりは高額のShopify Plusですが、便利な機能が搭載されており業務の効率化を図ることで、人件費の大幅削減が可能です。
一番の注目点は、「受注処理・出荷指示・在庫調整」や「キャンペーン・割引などの販促施策」を自動化できることです。また、ユーザーひとりひとりの特性に合わせた購買体験を提供できる機能も持っています。
さらに、Shopify Plusを使うとブランドや国ごとにECサイトを展開したい場合や、ECサイト運営に関わるスタッフが多い場合、管理が楽になります。
このように、業務の自動化、管理の効率化など様々なメリットがあるShopify Plusを一度検討してみてはいかがでしょうか。