PayPayモールとは、Yahoo!(ヤフー)が提供しているオンラインショッピングモールのことです。ネットショップ運営者のなかには、PayPayモールへの出店を検討している人もいるでしょう。この記事では、PayPayモールのメリットとデメリット、Yahoo!ショッピングとの違いや出店方法などについて解説します。ぜひ、ネットショップ運営の参考にしてください。
PayPayモールとは?
2019年10月にスタートしたPayPayモールは、Yahoo!が運営するオンラインショッピングモールです。厳しい条件をクリアしたYahoo!ショッピングの優良店のみが、PayPayモールに出店できます。決済サービス「PayPay」が使えるため、PayPay ユーザーやソフトバンクユーザーにとっては非常に便利でお得なサービスです。
PayPayモールの特徴
PayPayモールの主な特徴を4つ紹介します。
安全に利用できる
1つ目の特徴は、安全性が高いことです。PayPayモールに出店できるのは厳しい条件をクリアしたショップや商品のみです。高級感のあるワンランク上のショッピングを安全安心に楽しめます。
PayPayモールの出店条件
出店条件は以下の4項目のうち、いずれか1つを満たすことです。
・Yahoo!ショッピングベストストアアワード受賞歴があり、
かつ、過去約90日間において80%以上の期間、「優良店」であること
・Yahoo!ショッピング経由での年間流通1.2億円(税込)以上、
かつ、過去約90日間において80%以上の期間、「優良店」であること
・上場企業または上場グループに属する企業であること
・(グループを含む)企業年商 100億円以上(「家電」カテゴリ 500億円以上、
「食品」カテゴリ30億円以上)であること
※引用:PayPayモール出店レギュレーション|Yahoo!JAPANショッピング
検索や比較がしやすい
2つ目の特徴は、商品が探しやすいことです。多数の商品を1度に閲覧できるサイト構成で、関連商品やバリエーションの比較も簡単にできます。出店方法に厳格なガイドラインを設けることでモール全体に統一感を出し、ユーザーの高い利便性を実現しています。
キャンペーンが充実している
3つ目の特徴は、キャンペーンの規模や充実度です。PayPayといえば大盤振る舞いのキャンペーンが人気ですが、PayPayモールでもキャンペーンをたびたび実施しています。国のキャッシュレス・消費者還元事業は2020年6月で終了しましたが、PayPayと連携したサービスやキャンペーンを賢く活用すればお得に買い物ができます。
購入後14日間は返品も可能
4つ目の特徴は、基本的に購入後14日間以内なら返品できることです。自己都合での返品や交換でも、条件を満たしていれば対応してもらえます。カスタマーサポートがあるため、ショップと連絡が取れないなどのトラブルが起きにくい体制が整っています。返品条件がショップによって異なる場合もあるため、利用する際はしっかり確認しましょう。
PayPayモールに出店するには?
ここからは、PayPayモールに出店する方法について解説します。
Yahoo!ショッピング審査
PayPayモールに出店するためには、Yahoo!ショッピングに店舗を持つ必要があります。Yahoo!ショッピングの公式サイトに設置されたフォームから出店申し込みをして、審査結果を待ちましょう。2~10営業日ほどで審査結果が判明します。
PayPayモール審査
プラン変更
Yahoo!ショッピングとPayPayモールの両方にショップを持つことはできません。PayPayモールへ出店する場合は、Yahoo!ショッピングの管理ページからプラン変更をする必要があります。4つの出店条件のうち、1つを満たしていることがプラン変更の条件になります。
開店審査
プラン変更をすると約3週間の開店準備期間が与えられます。開店審査が行われた後、3~15営業日ほどで審査結果が通知されます。
PayPayモール出店でかかる手数料
PayPayモールへの出店にかかる手数料は、ポイント原資負担金と売上手数料の2種類です。ポイント原資負担金は、ストアポイント分とキャンペーン原資充当分の合計2.5%です。さらに、商品が売れるたびに決済価格の3%をYahoo!に納める必要があります。
PayPayモールとYahoo!ショッピングの違いは?
ここでは、PayPayモールとYahoo!ショッピングの違いについて解説します。
店舗数・出店の条件
もっとも大きな違いは出店の条件と店舗数です。Yahoo!ショッピングでは、初期費用と毎月の利用料、売上手数料が無料です。店舗数は非常に多く、2017年末時点で65万店を超えたとするデータもあります。
一方、PayPayモールの店舗数は2019年のスタート当初で600店ほどでした。店舗数はYahoo!ショッピングのほうが圧倒的に多い状況です。
ポイントの還元率
Yahoo!ショッピングとPayPayモールでたまるポイントは、TポイントとPayPayポイントの2種類です。 PayPayモールのポイント還元率は最大20%で、Yahoo!ショッピングの最大16%よりも高くなっています。ただし、ソフトバンクあるいはワイモバイルのユーザーではない場合の最大還元率は、Yahoo!ショッピングで8%、PayPayモールで6%です。
決済方法や手数料
Yahoo!ショッピングとPayPayモールで共通して使える決済方法は以下の6つです(スマートフォンの専用アプリからPayPayモールを起動した場合は、PayPay残高払いとクレジット決済のみ使用可能)
・クレジットカード決済
・キャリア決済(モバイル支払い)
・モバイルSuica決済
・コンビニ決済
・銀行振込決済(ペイジー)
・PayPay残高払い
Yahoo!ショッピングでは売上手数料がかかりませんが、PayPayモールでは3%の手数料が発生します。
PayPayモールに出店するメリット・デメリット
ここでは、PayPayモールに出店するメリットとデメリットについて紹介します。
メリット
多くの顧客が見込める
最大のメリットは、顧客獲得が見込めることです。Yahoo!ショッピングの月間ログインユーザーID数は、2018年9月末の実績で4,587万を達成しています。一方、PayPayの登録ユーザー数は2020年2月時点で2,500万人を超えました。PayPayポイントがたまりやすいPayPayモールのユーザーは、今後ますます増える可能性があります。
キャンペーンによる販売促進
メリットの2つ目は、キャンペーンによる販売促進効果に期待できることです。PayPayやPayPayモールでは、お得なキャンペーンを次々に打ち出しています。キャンペーン期間にポイント目当てでまとめ買いをするユーザーは決して少なくありません。
消費者に対して信頼感をアピールできる
メリットの3つ目は、PayPayモールに出店を認められた優良店だということを消費者にアピールできることです。Yahoo!ショッピングで商品検索をすると、PayPayモールの商品には「Pモール」という金色のマークがつき、消費者に特別感や高級感、信頼感を与えられます。
ライバルが少ない
メリットの4つ目として、競合店が少ないことが挙げられます。Yahoo!ショッピングに比べるとPayPayモールの出店数は非常に少ないため、ユーザーが商品検索をかけたときに自社の商品が表示される可能性が上がります。
デメリット
ストアデザインの制限や出店へのハードルが高い
デメリットの1つ目は、出店の条件やストアデザインの制限が厳しいことです。条件をクリアできるショップでなければ出店できません。審査に通った後も、「条件を満たしていない」と判断されると削除対象となります。中小ショップが販路拡大を目指すなら、楽天市場やAmazonへの出店も検討しましょう。
併用払いの支払総額が正しく表示されない
デメリットの2つ目は、受注管理システムで併用払いの支払総額が正しく表示されないケースがあることです。PayPayモールではPayPay残高払いとクレジット決済の併用が可能ですが、これに対応していないシステムでは顧客へ送付するメールに併用払いの詳細を記載できません。
トラブルやユーザーからの誤解を避けるためには、サイトやメールに注意事項を記載するなどの工夫が求められます。
不具合やセキュリティへの不安
ネットショッピングやキャッシュレス決済に不安を持つ人が少なくないこともデメリットです。Yahoo!ショッピングでは過去にも不具合がたびたび起きています。
一方、PayPayはSMSによる2段階認証に対応済みです。ユーザーや加盟店が不正利用の被害にあった場合は全額補償されるため、安心感が高くなります。クレジット決済の安全性を高めるためには、クレジットカードの本人認証サービスも役立ちます。
Yahoo!ショッピングからの退店
デメリットの4つ目は、PayPayモールに出店するとYahoo!ショッピングでは退店扱いになることです。PayPayモールはYahoo!ショッピングの事実上、上位版モールという位置付けとなりますが、出店者は両方のモールに同時出店はできない事となっています。
そのため、PayPayモールが閉店になり、利益が絶たれるリスクに備え、他モールに出店するなど販路拡大を念頭におく必要があるでしょう。
まとめ
PayPayモールは、Yahoo!ショッピングの優良店のみを集めたオンラインショッピングモールです。メリットも大きい一方でリスクもあるため、安全な販路拡大を重視する場合は楽天市場やAmazonへの出店をおすすめします。
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