ネットショップの運営者にとって、荷物の送料は経費を大きく左右する重要なポイントです。運送会社と法人契約を結ぶことで、送料が安くなるだけでなく、その他の様々なメリットが得られます。この記事では、ネットショップの運営者に向けて運送会社と契約を結ぶ方法を解説します。送料を安く抑えるためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
運送会社と法人契約を交わすメリット
ここでは、運送会社と法人契約を交わす4つのメリットについて解説します。
正規料金よりも安く運んでもらえる
運送会社と大口の契約を結ぶと、正規料金よりも安く荷物を運んでもらえるようになります。発送する荷物の数が多くなるほど割引率が高くなります。ただし、現在ではかつてのように大幅な割引が受けられるわけではありません。以前は送料が半額になるような契約も存在しましたが、現状は数%から10%程度の割引率が一般的です。
梱包袋を安く入手できる
ネットショップを運営するうえで、意外とコストがかさむのが商品を包む梱包袋です。出荷する商品の数が増えるとそれだけ梱包袋も必要になり、出費も多くなります。しかし、運送会社と法人契約を結べば梱包袋を安く提供してもらえることがあります。運送会社にもよりますが、無料でもらえる場合もあるので確認してみましょう。
料金を後払いできる
契約をしていない状態だと発送のたびに料金を払う必要があり、手間がかかるうえに帳簿の管理も大変です。一方、法人契約を交わしていれば未収という形で料金をまとめて後払いできます。月に1度、請求書に基づいて支払うだけなので出費の管理も楽になります。
定期的に集荷してくれる
運送会社と契約を結んでから継続して荷物を発送していれば、運送会社が定期的に集荷に来てくれます。荷物があるときにいちいち呼ぶ必要がなくなり、手間を省くことが可能です。また、伝票を印刷するシステムが使えるようになるので、発送のたびに手書きで記入する必要がなくなります。出荷に関する手間を削減できることが、法人契約を交わす大きなメリットだといえるでしょう。
運送会社と法人契約を交わす方法
ここでは、運送会社と法人契約を交わす方法を順序にしたがって紹介します。
1.利用する運送会社を決めたら近所の営業所に電話し、営業担当者のアポイントメントを取る。
2.営業担当者が訪れたら月間の出荷数や商材などを伝え、見積りを出してもらう。
このとき、定期的に荷物を発送している実績がすでにあれば数字の信ぴょう性が増すため、金額の交渉がしやすくなります。
3.見積りの金額に納得できれば契約を交わす。
なお、契約を交わす前になるべく複数の運送会社で見積りを取ることをおすすめします。相見積りを取ることで、どの運送会社が安い料金を提示しているのか見極めやすくなるためです。また、必要に応じて運送会社を使い分けてもよいでしょう。
利用できる運送会社の特徴
ここでは、法人契約が利用できる運送会社として「ヤマト運輸」「日本郵便」「佐川急便」「福山通運」「西濃運輸」の5社をあげ、それぞれの特徴を紹介します。
ヤマト運輸
クロネコのマークでも知られているヤマト運輸は、丁寧な配送で評判が良い運送会社です。全体的に料金は高い傾向がありますが、離島に届ける場合も追加料金がかかりません。また、荷物の配送が早いのも特徴で、遠い場所にもスピーディーに届けてくれます。その他、小さい荷物でも追跡できる、顧客が受け取り時間を指定できるなど、様々な利点があります。
日本郵便
安定感を求める人は、料金制度がしっかりと確立されていて、サービスの種類も多彩な日本郵便がおすすめです。また、24時間営業の窓口がある郵便局に持ち込めば、時間を気にせずに発送ができる点も便利なポイントです。局留めにしておけば、顧客も商品を24時間受け取ることができます。なお、「ゆうパック」には損害賠償制度があり、安心して利用できます。
佐川急便
佐川急便の特徴は、全体的に料金が安いということです。ただし、離島や北海道、沖縄などは高くなるので注意しましょう。また、時間帯指定の区分が細かいため、顧客にとっても利便性が高い運送会社です。
福山通運
福山通運は法人向けのサービスをメインで行っている運送会社ですが、個人向けでも配送を行っており、時間帯指定などのサービスも利用できます。大きな荷物でも運んでもらえるため、取り扱っている商品によって、他の運送会社と併用してもよいでしょう。広島県に本社があり、中国地方では広いシェアを獲得しています。
西濃運輸
西濃運輸は「カンガルー便」というサービス名の方が知名度が高いかもしれません。福山通運と同様に、法人向けのサービスがメインの運送会社です。個人向けのサービスは限られていますが、大きな荷物、重い荷物の発送や大口での利用に向いています。
運送会社を選ぶときのポイント
運送会社を選ぶときは、荷物の大きさや発送先によって運送会社を適切に使い分けましょう。運送会社によって、発送できる荷物の最大サイズや運賃体系に大きな違いがあります。「大きい荷物は佐川急便、小さい荷物はヤマト運輸、離島へ送るときは日本郵便」といったように、運送会社を使い分けることで、送料を安く抑えられます。
発送料金を安く抑えるポイント
発送料金を安くするために大切なのは、「荷物のサイズが小さくなるほど送料も安くなる」という基本ポイントをおさえることです。商品が破損しないように適切な梱包をすることが大前提ですが、なるべく小さくまとめることを心がけましょう。
また、宛名書きや送料計算などの発送にかかる業務の工数を減らすことで時間が節約でき、実質的に利益を上げることにつながります。
集荷のドライバーと良い関係を築くことも重要
料金が一段階高くなるギリギリのサイズだった場合に、数センチのオーバーを見逃してくれるなど、ドライバーの裁量で一段下のサイズとして扱ってくれるケースもあります。そのため、担当のドライバーと良好な関係を築くことも重要なポイントです。
安くしてもらうことだけが目的ではなく、お互い気持ちの良い仕事ができるよう、集荷の時間を融通する、集荷時に世間話をして顔見知りになっておくなど、ドライバーと良い関係を築けるように努めましょう。
まとめ
送料をなるべく安く抑えたいときは運送会社と法人契約を結ぶのがおすすめです。送料が安くなること以外にも、料金の後払いが可能になる、梱包袋が安く入手できるといったメリットも得られます。運送会社ごとに特徴が異なるので、必要に応じて複数社を使い分けましょう。また、EC事業を効率化させるためには管理システムの導入が効果的です。