Amazonに出店する際には、アカウント審査に通過することが必要です。
特定の商品とカテゴリーには出品審査もあり、出店後に継続して監視される販売情報もあります。
この記事はネットショップ経営者に向け、押さえておくべき出店審査・出品審査・アカウント審査など各種の審査と申請方法を解説しています。
EC事業の継続的な運営にお役立ていただければ幸いです!
Amazonの出店審査を受ける前に知っておきたいこと
ここでは、Amazonの出店審査を受ける前に知っておきたいAmazonの特徴や大口出品・小口出品の違いについて解説します。
出店先としてのAmazonの特徴
Amazonの出店数については現在公表されていませんが、2015年時点においては約17.8万店舗でした。現在の出店数はさらに多いと推定されています。
日本国内においては、楽天市場・Yahoo!ショッピングとともに3大ECモールと呼ばれています。
Amazonの倉庫から自動的に発送してくれるフルフィルメントサービス(FBA)が特徴で、在庫スペースや人員が限られる小規模事業者も出店しやすいメリットがあります。
大口出品と小口出品の違い
Amazonの出店形態には大口出品と小口出品の2つがあります。
大口出品は、月50点以上の商品を販売する人を対象としたサービスです。事業として出店を考えるなら大口出品がおすすめです。月額4,900円の販売手数料がかかりますが、特定の商品カテゴリーの審査を受け、販売できるのも大口出品者のみです。
小口出品は毎月49点まで商品を販売できるサービスで、商品ごとに100円の成約料と販売手数料がかかります
Amazonのアカウント(出店)審査とは?
Amazonに出店する前にはアカウント審査を通過することが必要です。アカウント審査の特徴やチェックされる内容、出店審査にかかる期間などを解説します。
Amazonの出店(アカウント)審査の特徴
Amazonの出店審査は、3大モールの中では最も審査が厳しくないといわれています。しかし、出店後の商品品質や顧客対応などのチェックは厳しく、アカウントを凍結されてしまうケースもめずらしくないため要注意です。
Amazonの出店審査では何をチェックされるのか
Amazonの出店審査では、おおまかにはその事業者が社会的に信頼できるのかを調べられています。例えば企業(個人)情報や経営状況、事業内容などです。Amazonには個人事業主から大企業まで何十万社も幅広く登録されており、ビジネスの規模は審査に影響しません。
Amazonの出店審査にかかる期間
Amazonの出店審査はオンライン上で完結します。目安としては2営業日、最長でも3日程度で審査結果がメールで送られてきます。ただし、これは出店者の経験則であり、審査期間についての公式なアナウンスはありません。
Amazon出店審査から販売までの3ステップ
ここではAmazonの出店用アカウントの登録から出品商品の登録、販売までの3ステップを流れに沿って解説します。
1.Amazon出店用アカウントの登録
アカウントを作るためには事業者情報とビジネス情報、クレジットカード情報の登録が必要です。事業者情報としては法人の場合は登記簿謄本、個人事業者の場合は個人情報の内容を記入します。
有効期限内の顔写真入りの身分証明書(運転免許証またはパスポート)のスキャン画像も必要です。また、過去180日以内に発行された取引明細書1部(クレジットカードの利用明細書、インターネットバンキング取引明細、預金通帳の取引明細書、残高証明書のいずれか)もオンラインで提出します。
2.Amazonに出品する商品を登録する
販売管理画面「セラーセントラル」にログインして、出品商品を登録します。次に製品コードや商品名を検索して入力し、価格と在庫数を入れて確定すれば出品完了です。
ただし、後ほど解説するように事前に出品許可を受けなければならない商品カテゴリーもあります。
3.Amazonで販売する
出品した商品が売れると、Amazonが一旦代金を回収し、発送通知を行います。FBAを利用している場合はそのまま発送処理までしてもらえます。その他の場合は、発送予定の期間内に自社で発送しましょう。
代金は2週間単位でまとめられ、販売手数料や成約料(小口出品者のみ)を差し引かれた後、Amazonから店舗に入金されます。
Amazonアカウント登録(出店申請)手順
ここでは、Amazonアカウント登録(出店申請)を行う際の具体的な手順を、流れに沿って解説します。
1.必要書類を用意する
本人確認書類と各種取引明細の一部を用意し、ネットでアップロードするために電子化しておきましょう。スマホやデジタルカメラで撮影した画像か原本のスキャンデータがあれば申請できます。なお、マイナンバーカードは受付不可であることに注意しましょう。
2.Amazonアカウントを作成する(出品用アカウントを持っていない場合)
Amazonに出店する際は、個人の買物用とは別に出品用アカウントが必要です。
Amazonトップページ右上の「アカウント&リスト」→「その他のアカウント」→「出品サービスアカウント」→「さっそく始める」と進みアカウント登録を行います。
3-A.登記簿謄本の内容を記入する(法人の場合)
法人の場合は登記簿謄本の内容を記入します。具体的には法人番号や会社住所、電話番号(連絡が取れれば個人の電話番号でも可)、担当者氏名などです。消費者に公表されるストア名は、信頼を得やすい名称を付けましょう。
3-B.個人情報を登録する(個人事業主の場合)
個人事業主の場合は、国籍や生年月日、氏名、電話番号、会社の住所などの個人情報を登録します。ストア名の登録や本人確認書類のアップロードもこのプロセスで行います。
Amazonの審査を受けなければ販売できない商品
Amazonでは全ての商品を出品できるわけではありません。ここでは事前にAmazonの審査を受ける必要があるカテゴリーや商品を解説します。
書類申請を受ける必要がある商品カテゴリー
メーカーや政府によってリコールの対象になった商品をAmazonに出品することはできません。また、商品の安全性が求められる商品は、事前に書類を提出してAmazonから承認を受ける必要があります。具体的には、ベビーカーや電気ヒーター、防災用品などです。
多くの商品カテゴリーがあるため、詳しくは下のリンク先を参照してください。
出品許可が必要なカテゴリー
一部の商品カテゴリーの商品は、カテゴリーごとに出品許可を得る必要があります。これはインターネットの情報サイトなどで「カテゴリー審査」と呼ばれている制度です。カテゴリー審査を受けるためには大口出品者であることが必要です。
一部商品とはいえ、本やCD、パソコン・周辺機器、おもちゃなど範囲が広いため、出品前には下記サイトの情報を確認しておきましょう。
ブランド規制がかかっている商品(Amazonブランド登録)
「Amazonブランド登録」とは、ブランドの構築と保護のためにメーカーに提供されているサービスです。主にAmazonによる偽造品の検出、出品ブロックを強化してもらうために利用され、SONY、GUCCIなど代表的なブランドの多くが登録しています。
すでに35万以上のブランドやメーカーがブランド規制の対象であり、現在も増加傾向にあります。仕入れの際には、正規商品であることを証明できる仕入先を選定するなどの注意が必要です。
Amazonに出品できない商品
食品衛生法や健康増進法、牛トレーサビリティ法に合致しないなど法律上の理由で出品禁止商品に指定されている商品があります。また、Amazonのポリシーに反する商品も出品禁止対象です。
例えば、空気口のある味噌、医薬品成分を含むサプリメント、イルカ肉などがあげられます。
出品許可が必要な商品の申請方法
ここでは、事前の出品許可が必要な商品の具体的な申請方法について解説します。
Amazonカタログに登録されている場合
セラーセントラルにサインインして「カタログ」に移動し「商品登録」を選択します。出品する商品を検索して見つかったら、商品の隣に表示されている「出品制限が適用されます」をクリックしましょう。次に「出品許可申請」をクリックすると申請手続きが行えます。
Amazonカタログに登録されていない場合
Amazonカタログに登録されていない場合は、商品カテゴリー別の申請ページから、カテゴリーごとに申請を行います。下記リンクにアクセスして手続きを行ってください。
出店後もAmazonのアカウントの審査がある
Amazonは購入者を保護するため、出品者のアカウントを継続的に監視しています。もしAmazonが懸念する情報が見つかった場合には、出品者にメールによる通知が届き、アカウントの審査が行われます。
出店後もAmazonが監視している項目1:販売速度
出店後もAmazonが監視している情報のひとつは「販売速度」です。ある期間における取引数や取引金額の増加を監視しており、例えば特定商品の週間売上が急にゼロから数十万円に増えた際に、審査候補として検出されます。
ただし、検出条件や計算方法は公表されておらず、詳細は不明です。
出店後もAmazonが監視している項目2:取引限度額
取引限度額に近づくか超過するとアカウントの実績が調査され、増額するかどうかが審査されます。Amazonは「評価過程に則る」とアナウンスしていますが、詳細な情報は公開されていません。
出店後もAmazonが監視している項目3:販売数・在庫状況
過去の販売履歴と在庫状況、販売数を比較して「懸念事項」がないかチェックされます。例えば、急にFBA倉庫に特定の商品が大量入荷して出品されたなどの際に、審査対象になる可能性があります。
出店後もAmazonが監視している項目4:サービスの質
Amazonでは出品者のサービスの質が継続的にチェックされています。大口出品者の経験則では、以下の3つの条件のいずれかを満たしてしまうと、アカウント審査が行われやすいとされています。
・アカウントヘルスの注文不良率が1%以上
・出荷前のキャンセル率が2.5%以上
・出荷遅延率が4%以上
Amazon出店後のアカウントの審査とは
ここでは、Amazon出店後の審査によってできなくなることや、アカウント審査を早める方法などについて解説します。
Amazon出店後のアカウント審査中にできなくなること
出店後に審査が入ると、アカウント審査を行うことを通知するメールが届き、審査が始まります。修正申告する内容がなければ、審査結果が報告されるまで待つしかありません。審査中も販売は継続できますが、Amazonが一時的に預かっている代金の入金が一時ストップしてしまいます。
Amazonのアカウント審査の処理を早めるには
Amazonによるとアカウント審査の期間は30日以内が目安です。ただし、以下の内容の情報を自己申告することで審査が早まる可能性があるとも述べています。
- 出品開始時期または出品期間
- 在庫の調達元
- Amazonでの月間予想売上額
- 各商品の出荷可否ステータス
- 販売元の住所
- 現在商品を出品している他のAmazonウェブサイトへのリンク
- 直近の出荷商品の追跡情報
※出典:取引限度額および出品者用アカウントの審査|Amazon
まとめ
Amazonの出店審査では社会的な信頼性がチェックされます。また、特定の商品に対しては事前に出品許可を受けることが必要です。出店後も販売実績やサービスの質が継続してチェックされているため、再審査を受けないように注意しましょう。
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