「自社ECを構築したいけど、料金の相場がわからない…」
「ECサイトの構築方法の選択肢がありすぎて、どんな方法を選べばいいかわからない…」
そんなふうに感じているEC担当者の方や経営者の方も多いはず。
そこで、今回はECサイトの料金相場を構築方法や必要な機能別に徹底的にまとめました!!
この記事を読むと以下のことがわかります。
- ECサイトの構築方法別の費用相場
- ECサイトの構築方法別のメリット・デメリット
- 自社に合ったECサイトの構築方法と費用感
- ECサイトの制作を依頼する前に考えるべきこと
- ECサイトの制作を依頼する際のポイント
自社ECの構築をお考えの方はぜひご一読ください!
【構築方法別】ECサイト制作費用の相場
まずは、ECサイトの構築方法別の費用相場をざっくりと見ていきましょう!
EC事業を行うには、大きく以下の5つの方法があります。
- ECモールに出店
- ASPカート
- オープンソース
- パッケージ
- フルスクラッチ
それぞれにメリット・デメリットがありますので、まずはざっくりと特徴を抑えましょう。
構築方法の別の特徴早見表
早速結論です。
ECサイトの構築方法別の特徴や費用相場をまとめると以下の表のようになります。
まずはこちらを参考に費用感やそれぞれの特徴をざっくりと把握しましょう!
また、構築方法別の機能面やコストも一覧表にしましたので、EC構築の参考にしてください。
フルスクラッチ | パッケージ | オープンソース | ASP | |
---|---|---|---|---|
機能の拡張性 | 高 | 高 | 高 | 低 |
外部システムとの連携 | 高 | 高 | 高 | 低 |
デザインの自由度 | 高 | 高 | 中 | 低 |
サーバースペック | 高 | 高 | 中 | 低 |
構築難易度 | 高 | 中 | 低 | 低 |
コスト | 高 | 中 | 低 | 低 |
ECモール
ECモールとは、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなど、気軽にEC事業を始めることができるサービスを指します。
コーディングなどのWebサイト構築の知識は必要なく、安く・手軽にEC事業を始めることができます。
また、モール自体に集客力があるため、ある程度の集客が見込める点も大きなメリットです。
モールによって、初期費用・月額利用料・決済手数料が異なります。
Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 60,000円 | 無料 |
月額利用料 | 無料または4,900円 | 19,500円〜100,000円 | 無料 |
システム利用料 | 8〜20% | 1%〜7% | 無料 |
決済手数料 | 無料 | 3.24%〜 | 0〜4.48% |
ECモールについては以下の記事で詳しくまとめているので、出店をお考えの方は参考にしてください。
ASPカート
ASPとはアプリケーション・サービス・プロバイダーの頭文字です。
つまりインターネット上で誰もが共通のサービスを受けられる仕組みのことを指します。
代表的なものにShopifyやBASE、STORESなどがあります。
デザインのテンプレートを選択して商品登録をするだけで、ECサイトを制作することができるため専門的な知識がなくてもECサイトをオープンできます。
また、低コストで制作できることも魅力の一つです。
一方で、使用できるデザインや出品点数に制限があったありなど、一定の制約があるため、自由にカスタマイズしたい場合は選択肢から外れてしまうでしょう。
費用については以下のようなイメージです。
自身でできる範囲で制作する場合は0円から制作できますが、Web制作会社などにカスタマイズを依頼する場合は、数十万円程度の制作費がかかります。
また、ASPの利用料として月額使用料や決済手数料がかかってきます。
- 制作費用:0〜数十万円
- 月額費用:数千円〜5万円程度
オープンソース
オープンソースとは、Web上で公開されている誰でも使用可能なソースコードのことを指します。
ECサイト構築のためのオープンソースとしてはEC-CUBEやMagentoが挙げられます。
オープンソースの利用自体は基本的には無料でできるため、自身でソースコードを書き換えてサイトを構築すればサーバー費用などしかかかりません。
ですが、オープンソースを利用してオーダーメイドのECサイトを制作する場合、専門的な知識やスキルが必要となるため、制作会社に依頼することが一般的です。
オープンソースを利用してECサイトを制作する場合の費用は以下のようなイメージです。
制作や保守運用のノウハウが自社にあれば、非常に安い価格で自由度の高いECサイトを構築可能です。
しかし、外部の制作会社に発注する場合は制作費用として数百万円程度かかります。
また、サイトの保守運用も外部に委託する場合、数十万円〜数百万円の出費になるでしょう。
- 制作費用:0〜数百万円
- 月額費用:数千円〜数百万円
パッケージ
パッケージとはECサイトのベースとなるアプリケーションを購入し、それをもとにECサイトを構築をする方法です。その名の通り、ECサイトに必要な機能がパッケージ化されており、主に開発会社が販売しています。
データ連携などの機能も備わっているものが多いため、。在庫管理や出荷業務などのバックエンドの負担が削減できる点も大きな魅力です。
デザインの自由度も高く、必要な機能も揃っているためある程度本格的にEC事業に力を入れたい企業におすすめです。ECパッケージの代表的なものにはebisumartやSI Web Shoppingなどが挙げられます。
パッケージでECサイトを構築する場合の費用相場は以下のようになります。
ECパッケージは初期費用が概ね高く設定されており、500万円程度が相場となっています。
また、月額費用はベンダーにどんなサポートを受けるかによって大きく変わってきます。
- 制作費用:数十万円〜数千万円
- 月額費用:数万円〜数百万円
フルスクラッチ
既存のシステムやサービスを一切使用せずに0からEC構築することをフルスクラッチと言います。
0から構築するので、自由度が最も高く、費用や手間も最もかかる方法です。
フルスクラッチでECサイトを構築する場合は数千万円の初期費用が必要になります。
また、開発会社などにサイトの保守運用も依頼する必要があるため、月額費用もある程度の額が必要になります。
- 制作費用:1000万円以上
- 月額費用:数十万円以上
【フローチャート】自社に合ったEC構築方法の考え方
ここまでECサイトの構築方法別の費用感や特徴を説明しました。
ここまでの説明で、ある程度自社にあったEC構築方法について検討が付いてきた方もいるかもしれませんが、もう少し具体的にECサイトの構築方法を考えてみましょう。
以下の質問に「はい」「いいえ」で答えていくだけで、自社に合ったECサイトの構築方法がわかります。
(上図のフローチャートと同じ項目です)
質問① 自社にシステム構築のノウハウがある
「はい」→質問②へ
「いいえ」→質問③へ
質問② EC事業に注力したい・コストをかけられる
「はい」→質問④へ
「いいえ」→質問⑤へ
質問③ まずはミニマムで自社ECを構築したい
「はい」→質問⑤へ
「いいえ」→質問⑥へ
質問④ ECサイトの保守運用を内製化できる
「はい」→フルスクラッチがおすすめ
「いいえ」→パッケージがおすすめ
質問⑤ 保守運用は実績のある企業に委託したい
「はい」→パッケージがおすすめ
「いいえ」→オープンソースがおすすめ
質問⑥ 自社の設備でシステム運用したい
「はい」→オープンソースがおすすめ
「いいえ」→ASPがおすすめ
ECサイト制作発注時のポイント
ここまでの解説で、ECサイト制作費用の相場感や自社の事業に合ったECサイトの構築方法がわかってきたことと思います。
それでは、実際にECサイトの制作を依頼する際に気をつけるべきポイントを5つ紹介します。
ECサイト制作の目的を明確にする
当然のことですが、自社のECサイトを制作するのであれば目的を明確に決めておく必要があります。
「ECサイトを作って売上を伸ばすぞ」とは誰もが考えていることでしょうが、いつまでに・どのくらいの売上を・どうやって上げるのかを明確にしておく必要があります。
期限と目標が決まったら、達成すべきKPIも策定しておくと、やるべきことがより一層明確になります。
使用する決済方法を決めておく
ECサイトには決済機能が必要です。
しかし、決済機能と一言で言っても、いろいろな種類があります。
- クレジットカード
- 郵便振替
- 銀行振り込み
- 代金引換
- コンビニ払い
- 電子マネー
これらの中で、度の支払い方法に対応するかはECサイト制作時に決めておく必要があります。
アウトソーシングする業務を検討する
ECサイトの運営には多種多様な業務が含まれます。
商品企画、仕入れ、サイトの運用、集客・マーケティング、受発注管理、梱包・出荷、在庫管理、配送、アフターサービスなど、やるべきことは多岐に渡ります。
これらすべての業務を内製化するのは、体制がよほど整っていない限り至難の業です。
そのため、何の業務を外部に委託するのかを検討し、費用感などをリサーチしておいた方がよいでしょう。
外部委託することが多い業務としては、在庫管理や物流関連の業務、ささげ業務といわれる採寸・撮影・原稿の業務などがあります。それぞれに専門の業者があるので、委託しやすい業務と言えます。
集客の施策立案〜実行の体制を整える
自社のECサイトを作って公開しただけでは、砂漠のど真ん中にぽつんとお店を構えるようなものです。
人がお店に訪れるような人の流れをつくる必要があります。
Webの集客方法としては、Web広告の出稿、SEO対策、SNS運用など様々な方法があります。
こちらも合わせて検討しておく必要があります。
保守・運用をどうするか考えておく
サイト内の情報を更新したい場合や新たな特集ページを作成したい場合、ちょっとしたエラーやトラブルが起きた場合などの対応をどうするか考えておく必要があります。
自社に保守運用のノウハウがない部分に関しては外部に委託することになるので、何をどこまでやってもらうのかを明確にしておくとやりとりがスムーズで、期待の食い違いも起こらずに済むでしょう。
ECサイト制作を発注したときのフロー
手順① ECサイト制作会社の選定
まずはECサイト制作を依頼するECベンダーや制作会社を選定しましょう。
Web幹事などのサイトを使用して、制作会社を探して一括見積もりしてみると費用の相場や各社の対応などがつかめます。
その際は、目的や要件、必要な機能、予算などをできるだけ具体的にしてから依頼するようにしましょう。
手順② 要件定義・仕様設計
依頼先が決まったら要件定義や仕様設計の段階になります。
ここでは依頼先の会社と打ち合わせを複数回しながら、サイト全体の構成や各ページの構成、必要な機能などを詳細に詰めていきます。
要件定義の段階で認識の擦り合せをしっかりとしておかないと、後々修正などが発生して余計なコストがかかる可能性があります。
不明点は一つひとつ確認をしながら進めるようにしましょう。
手順③ 商品登録
ECサイトのシステム構築が完了したら、商品の情報や画像などをECサイトに登録してから公開する必要があります。
商品画像の撮影や原稿の作成などは、開発と平行して進めるようにしましょう。
手順④ テスト・検収
ECサイトは機能が豊富で複雑な仕組みになっています。
必要な機能がしっかり使えるかどうかをサイト公開前にテストしましょう。
商品の受注処理は発送伝票の発行、各システム間のデータ連携に不備がないかを確認したうえで公開します。
手順⑤ 集客・マーケティング
ECサイトをオープンしたら、集客の施策を打っていかなければ売上は望めません。
ECサイトの公開前からどういった経路で顧客に流入してもらうのかを考えておく必要があります。
もし、集客にSNSを使用するのであればECサイト公開まえから運用を開始しておいてもよいでしょう。
【まとめ】目的を明確に定め、自社に合ったEC構築を
今回はECサイト制作の相場について紹介し、自社に合ったECサイトの構築方法をご理解いただけるように説明してきました。
また、自社のECサイトを構築するときのポイントや必要な作業も併せて紹介しました。
ある程度ECサイトの制作・構築についてわかっていただければ幸いです。
自社のECサイトをつくるのも運営するのも、コストや労力がかなりかかるものです。
そのため、しっかりと事前に目的の設定ややるべきことの洗い出しをしておく必要があります。
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