ライブコマースを始める前に、「ひと通り、概要を確認したい!」という方も少なくないのではないでしょうか。
この記事ではライブコマースの始め方、ライブコマース成功のコツ、成功事例についてまとめています。「そもそもライブコマースとは?」と、感じている方はぜひお役立てください。
ライブコマースとは?
自宅のパソコンでライブ配信を見ながら、気軽に購買体験が楽しめるライブコマース。新型コロナウイルス感染症の拡大により、対面販売の需要が縮小し、あわせてデジタル化が急速に進んだことで、近年再注目されています。
ライブコマースの仕組み
ライブコマースは、ECサイトとライブ配信を融合させた販売形態。動画を活用した臨場感を感じられる情報発信の場であるだけでなく、ユーザーとの関係構築も期待できることが特徴です。
ライブコマース市場の動向
では、ライブコマース発祥地である中国の市場と現在の日本の市場について、それぞれ紹介していきます。
日本のライブコマース市場
2017年から盛り上がりを見せた中国に続き、日本でもBASEやメルカリといった国内大手のプラットフォームが参入した“ライブコマース第1波”。このときには販売方法として定着せず、次々とサービス提供を終了する企業が続出しました。
1度目のブームでは定着しなかったため、販売のプラットフォーム自体がまだ未熟な国内でのライブコマース市場は発展途上です。ですがコロナ禍での巣篭もり需要で再び着目されるようになり、“第2波”の到来とも言われている今、拡大が期待できる市場とも言えます。
中国のライブコマース市場
中国では中国最大手のECサイト「タオバオ(淘宝)」が参入したことで急速に拡大しました。
KPMGとアリ研究院が発表した調査レポート「1兆元市場に向かうライブコマース」によると、中国のライブコマースの市場規模は、2021年の時点で約33兆9150億円でした。中国ではすでに一般化した購買方法と言えるでしょう。
ライブコマースの始め方
次にライブコマースを始めるやり方について、確認していきましょう。
1. 配信プラットフォームの選定
販促の目的や希望する機能に応じて、配信プラットフォームを選びましょう。国内で主要なライブコマース専用のアプリは、「Live kit」や「HandsUP」などが挙げられます。
ライブコマース専用のプラットフォームだけでなく、「Instagram」や「YouTube」、「LINE LIVE」など、ライブ機能が備わったSNSの活用も有効です。これらのプラットホームはすでにユーザー数を多く有しているだけでなく、ユーザー自身も日々使い慣れたSNSを通じて、気軽に利用できます。
2. 配信者の選定
配信者のスキルは、売上を大きく左右する重要な要素のひとつです。出演者は自社社員が対応するケースと、プロのライバーに依頼するケースがあります。
たとえば開発担当者が出演する場合、開発を通じて培った深い知識や商品への思い入れを語ることで、真摯なメッセージを消費者に伝えられるでしょう。プロに出演依頼する場合、配信の専門的スキルやタレント性を生かしたコンテンツを打ち出すことができます。
3. 配信から購入までの導線づくり
購買意欲を引き出された視聴者が、よりスムーズに購入できるような導線づくりも必要です。事前にECサイトに特設ページを用意しておくなど、コンテンツの制作だけに目を向けるのではなく、購入にいたるまでのステップも考慮して準備しましょう。
4. 配信する商品の選定
開設後は販売終了まで公開できるECサイトに対して、日時を限定して配信するライブコマースは、販促の目標設定をより明確にした上で発信する必要があります。制作するコンテンツを有効活用できる商品であるか、しっかりと選定しましょう。
ライブコマース成功のコツ
ライブコマースを成功させるためには、消費者に響くコンテンツづくりを目指すだけでなく、動画以外の要素にも気配りが必要です。
配信者選定を徹底する
自社の印象や商品イメージ、ユーザー層とマッチしない配信者を選ぶと販促として逆効果です。ターゲットとリンクする出演者を選ぶようにしましょう。
PDCAを回す
ライブコマースは配信時の販売だけでなく、顧客と関係構築するチャネルとして活用すると効果的です。配信後には結果を検証し、長期的な視点でコンテンツマーケティングを行いましょう。
ライブコマースに向いている商品を選定する
ライブコマースには、活用が期待できる商品とそうでもない商品があります。
たとえばアパレルやコスメなどは、着こなしや使用感をリアルタイムで視聴者と共有でき、ライブコマースと相性の良い商材と言えます。
対して、効果に一定期間を要する健康食品やサプリメントに関しては、あまり相性の良い商材とは言えません。とはいえ、テレビショッピングで幅広く販売されている状況をかんがみると、プラットフォームが成熟すれば活用できる可能性があるでしょう。
ライブコマースの成功事例
ライブコマースの成功事例も見ていきましょう。
三越伊勢丹
百貨店「三越伊勢丹」が運営する有名ブランドコスメのオンラインストア「meeco」は、ブランドのアドバイザーやスタッフによるコスメのレクチャーやオンライン美容セミナーのほか、実際に店舗で1対1の接客体験ができる、対話形式のライブ配信も実施し、好評を得ています。
ベイクルーズ
アパレルメーカー「ベイクルーズ」の公式ライブ通販サイト「LIVE STYLING」も、実績を上げた成功事例のひとつ。動画には実店舗で接客するスタッフが出演するほか、ECサイトのスタッフやプレス担当者など、社員が発信しています。
動画で紹介された商品は専用コーナーから気軽に購入ができ、ライブ中の配信を見逃しても、後日アーカイブを視聴することが可能な仕様になっています。
資生堂
大手化粧品メーカー「資生堂」は、ライブコマース発祥の地・中国で活用を開始し、そのノウハウを生かす形で国内向けの「SHISEIDO GLOBAL FLAGSHIP STORE」を開始し、活用に成功しました。
動画では、メイクアップクリエイターやアートディレクターといったゲストがトレンドメイクやテクニックを紹介し、幅広い層の女性から人気を博しています。
【まとめ】今注目のライブコマースを理解しよう
近年、再注目されるようになったライブコマース。実店舗の営業が縮小傾向にあることを逆手にとり、活用を検討・導入し、売上回復を目指す企業も増加傾向にあります。特性を確認し、成功に向けて導入を検討してみてはいかがでしょうか。